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第9回『戦争の加害パネル展』開催

「戦争の加害展」というパネル展示会が毎年開催されています。
原爆や大空襲など戦争の被害が報じらていることが多いですが「戦争の加害」はあまり知られていません。
すでに9回になるこの展示会では「万人抗」「南京虐殺」「731部隊」「日本軍慰安婦」をはじめ「沖縄戦」「戦後処理」「満州の朝鮮人移民」など、学識者ばかりでなく市井の研究者による克明な研究成果も集めて膨大な量の資料が展示されています。一覧をお勧めします。

今年は展示会場内においてミニ講演「それは丘の上から始まった」の著者後藤周さんのレクチャーがあります。(5月1日14時〜)
また、特別展示「上海で日本軍は何を」制作メンバーによる解説があります。(5月3日14時〜)

知ることで未来が見える
第9回『戦争の加害展』

2024年4月27日〜5月5日 10:00 ~19:00
かながわ県民センター 1階展示室
横浜駅西口より徒歩5分

240208 米揚陸艇部隊運用開始と式典への抗議行動の報告

(動画:CITVニュース)

米軍揚陸艇部隊「第5輸送中隊」の「運用開始と式典」に抗議の諸行動に参加いただいた皆さん、ご苦労様でした。

8日は、9時30分にJR東神奈川駅改札口で待ち合わせをして、ゲイト前に直行、すでに平和運動センタが集会を30人ほどで始めており、10時には南関東防衛局職員へ文書による神奈川平和運動センターとして抗議の申し入れ書を手渡しました(翌日9日の神奈川新聞委に加地記者の報告記事を参照願います)。この集会・申し入れの終了を待って、神奈川平和運動センター・揚陸艇部隊配備反対連絡会・中原・高梨で統一集会の進め方について協議して統一集会を10時20分から開会、進行は高梨が担当し、最初に反対連絡会の共同代表の一人である後藤さんがアッピール、次に平和運動センターの加藤事務局長がアッピール、さらに、市民団体を代表して地元神奈川の「神奈川3区野党共闘を求める市民の会」の中原さんが、参加の市民団体(いっくの会・2区市民連絡会・かながわロックの会・平和と民主主義をつくる会/かながわ・沖縄の映画を見る会・戦争/改憲阻止!大行進/神奈川など)を冒頭紹介してからアッピールを行い、最後に3区市民の会の柴田さんの団結頑張ろうで統一集会を終えました。おそらく、初めての統一集会が不十分ながらも行うことができたのではないでしょうか。

集会を終えるにあたって、高梨から、私たちの抗議の声をゲートまで、また今日だけで終わらすことなく各地で拡げていこうと呼びかけ、反対連絡会が11時から東神奈川駅で、2区市民連絡会とかながわアクションは17時から横浜駅高島屋まえで街宣行動への参加を呼びかけさせていただきました。東京新聞の「こちら特報部」のキャップが取材に来ていたので、後日「こちら特報部」で取り扱ってくれるかも??

17時から高島屋前での街宣行動には2区市民連絡会・かながわアクション・いっくの会・3区野党共闘市民の会・かながわロックの会のメンバーでチラシ配布、並びに各アッピールを行いました。この街宣行動には前日記者会見を行った学者・弁護士有志の一人である山根横浜市大教授が参加して高島屋前を行き来する市民等へ横浜港を戦争拠点にさせてはならないなどアッピールしました。

揚陸艇部体の運用開始で戦争準備がさらに進みます。引きつづき進行する事態・事実にしっかりと向き合い、戦争させない、戦争ではなく平和を作り出すために気を引き締めて反戦行動を作り出していきましょう。

 横浜ノースドック県民署名についての報告と御礼 

 二つの県民署名で61,568筆を横浜市長に提出しました。 

かながわアクションはこの2月に「米軍‐新部隊の配備撤回を求める会」を呼びかけ団体として、「米軍揚陸艇部隊の横浜ノースドックへの配備撤回を求める県民署名」(以下、「配備撤回県民署名」)を市民や市民団体に呼びかけるとともに、この署名への参加を呼びかけるリーフレット(下掲)を作成して、街宣行動や地域での署名収集に取り組みました。 

4月には学者・弁護士の呼びかけによる県民署名(「横浜ノースドックへの揚陸艇部隊の配備反対県民署名」〈以下、「配備反対県民署名」〉)の準備が始まり、かながわアクションも賛同人に加わり、それまでの「配備撤回署名」から「配備反対署名」に切り替えて、7月から9月末での集約を目標に「配備反対県民署名」に取り組みました。 

かながわアクションは、特に「配備反対県民署名」を県下の市民団体・労働組合・政党を含めたオール神奈川的取り組みに拡げることで少しでも戦争国家化を阻止していくための総がかりの基盤形成と位置付けて、二つの「県民署名」に取り組みました。 

9月末日までに「配備撤回県民署名」は3,731筆、「配備反対県民署名」は57,837筆を集約し、10月24日に合計61,568筆の署名を横浜市長あての要請書とともに提出しました。横浜市側は目黒基地対策担当理事が対応(写真参照)した。 

翌日には、神奈川県庁(基地対策課)に赴き黒岩知事あてに横浜市長へ提出のした署名数の報告とともに知事あて要請書を提出した。市長あて、県知事あての要請書は別掲の通り。 

また、当日は6時半から横浜市健康福祉センターに会場を移して署名提出報告集会が行われました。集会の内容は動画(録画:後日掲載)をご覧ください。 

 取り組みを振り返って 

署名数が6万余筆にとどまったのは、市民も県民もノースドックの存在をほとんど知らかったこと、さらに7月、8月、9月のこれまでにない猛暑の中では署名の訴えがなかなか浸透しなかったことなどが要因と考えられますが、こうした中で署名収集に尽力いただいたみなさん、団体の皆さんの心から御礼を申し上げます。 

岸田政権の日米軍事一体化を軸とした戦争政策を止めるには、6万余の署名・戦争反対の声ではまだまだ不十分であり、引き続きノースドックへの揚陸艇配備に反対する取り組みの継続を通して「戦争させない、戦争反対」の声をさらに広げていくことが絶対に必要です。さらに今回のノースドックへの新たな揚陸艇配備が沖縄・南西諸島での戦争やミサイル基地などへの戦争に必要な装備等の輸送・運搬を任務としている以上、横浜港が戦争の拠点・前進基地として報復攻撃の目標とされることになるのは明らかではないでしょうか。この点からも沖縄県民の闘いや全国の基地反対の闘いとの連携・連帯が求められています。反戦平和の取り組みをひきつづき共同して強化を図っていきましょう。

(共同行動のためのかながわアクション代表世話人 高梨晃嘉) 

横浜ノースドックへの米軍新部隊配備反対県民署名 行動予定、関連イベント

◉実行員会より
横幕、幟旗のデータ(上掲)を以下からダウンロードして各団体で作成してください。
Aiデータと、pdfデータの2種類あります。ダウンロード期限はあと90日です。

・Adobe Illustrator データ一式(貼り込み画像も入っています) 61MB
https://xgf.nu/BGoTR
・PDF データ  27MB
https://xgf.nu/mh4ZS

署名用紙のダウンロードはこちらからお願いします。
・実行委員会Webサイト https://stopnd.jimdosite.com/


◉かながわアクション署名街宣運動予定(気温高い時間帯を避けています)
・8月7日(月)4時から5時 市営地下鉄「センター南」駅前
・8月24日(木)4時から5時 JR戸塚駅階上連絡通路
・9月4日(月)1から2時 相鉄線二俣川駅    
      15時から県庁前スタンディング(オモニ会連絡会)
・9月22日(金)4時から5時 市営地下鉄「センター北」駅前
「県民署名」実行委員会の署名用紙・リーフレットの請求は高梨までご連絡ください。

◉関連イベント
・8月6日(日)13:30~ 横浜ノースドックへの米軍揚陸艇部隊配備反対連絡会・賛同団体会議 会場:横浜市健康福祉会センター904号会議室(桜木町駅徒歩3分) 主催:横浜ノースドックへの米軍揚陸艇部隊配備反対連絡会 連絡先:045-231-0103(神奈川県平和委員会 飛田久男)

・8月6日(日)17:00~ ピースパレードin戸塚~戦争させない、憲法9条このままで~ 17時、戸塚駅東口2階広場に集合 17時20分、戸塚駅西口バスセンター横よりパレード出発 主催:8・6ピースパレード in 戸塚 実行委員会 連絡先:高橋勇美(医療生協かながわ、045-862-9244)

・8月11日(金・祝)13:30~ 横浜ノースドック米軍揚陸艇部隊配備反対の署名運動 中間報告と映画「沖縄、再び戦場へ」(仮題、三上智恵監督)スピンオフ作品(45分)上映会 会場:鶴見公会堂ホール(JR鶴見駅西口直結) 参加費500円 主催:署名運動推進鶴見区実行委員会(080-3727-5352、金谷さん)

・8月27日(日)14:00~18:00 「みんなの山下ふ頭に○○があったらイイナ」プロジェクト発 中村桂子×吉見俊哉 対談 みなとから考える横浜のまちづくり 会場:横浜市情報文化センター6階ホール(みなとみらい線日本大通り駅すぐ) 参加費無料 シンポジウムは14時~16時、船劇場視察は17時~18時(徒歩15分程度) 申込み:名前とメールアドレスを添え、mailto:ytug2023@gmail.comから申込みを 問合せ:090-3577-3160(古澤) 主催:横浜ボートシアター

・8月30日(水)12:00~13:00 定例宣伝署名行動 場所:桜木町駅野毛口、野毛ちかみち階段前 呼びかけ:横浜ノースドックへの米軍揚陸艇部隊配備反対連絡会 連絡先:045-231-0103(神奈川県平和委員会 飛田久男)

・9月23日(土)10:30~16:00 第27回かながわ反戦ツアー 横浜港を前線基地・出撃基地化させるな!「横浜ノースドックを視る」 10時30分、さくらリビング(ぴおシティ6F)桜木町駅3分 16時頃、大桟橋解散予定定員24人 費用2000円(資料代・ランドマーク展望室料込み) 10時30分、さくらリビング(ミーティングルーム)学習→ 12時、各自昼食 13時、ランドマーク集合 ランドマーク展望室から説明みなとみらい駅から日本大通り駅に移動し、大桟橋で説明・解散(みなとみらい駅~ 日本大通り駅までの交通費は各自負担) 申込み:かながわ平和憲法を守る会事務局 電話090-1105-6980 瀬川、mailto:メールe-kaihou@nifty.com、e-kaihou@ezweb.ne.jp

・9月30日(土)12:00~13:00 定例宣伝署名行動 場所:桜木町駅野毛口、野毛ちかみち階段前 呼びかけ:横浜ノースドックへの米軍揚陸艇部隊配備反対連絡会 連絡先:045-231-0103(神奈川県平和委員会 飛田久男)

・10月1日(日)15:00~ 米原子力空母の横須賀母港化反対 米原子力空母いらない!横須賀集会 会場:横須賀市・ヴェルニー公園 集会後デモ行進 主催:安保廃棄・諸要求実現神奈川県統一促進会議

横浜ノースドックへの米軍新部隊配備反対の「新たな」県民署名がスタートしました

6月29日に横浜市庁舎で「横浜ノースドックへの揚陸艇配備反対 県民署名の呼びかけスタート記者会見」が行われた。県民署名実行委員会の共同代表である山根徹也横浜市大教授と福田護弁護士が署名活動の内容と配備反対の意義について、また呼びかけ人でこの記者会見に同席の、中西新太郎横浜市大名誉教授、岡田尚弁護士、森卓爾弁護士、本田正男弁護士が各々、新部隊配備反対の決意・抱負を述べた。

記者会見の内容(配布資料を含む)は、新聞記事、録画、添付をご参照ください。

署名の目標は10万人。署名の最終集約(取扱い団体はその団体で集約の上、個人で集めたもの含めて、送付先<署名用紙に記載>へ送付ください)は9月30日。署名提出先は横浜市長。

なお、記者会見には神奈川新聞、東京新聞、朝日新聞、TVK、赤旗などの記者のほか、16名ほどの市民が参加した。

 この記者会見による「新たな」県民署名スタートをもって、2月からの「共同行動をすすめるかながわアクション」を中心に取り組んできた「配備撤回を求める県民署名」は順次、この「新たな」県民署名に切り替えていく。引き続きのご協力をお願いする。

この取り組みの意義の再確認しよう!

                     共同行動のためのかながわアクション代表世話人

               高梨 晃嘉

①横浜NDが戦闘基地へ改編されようとしている事実に向き合う

 これまで訓練資材等の備蓄と運搬のための基地であった横浜NDがなぜ戦闘基地へ改編(日米両政府合意)されようとしているのか。

アベ政治のもとで2015年に安保法制で集団的自衛権の発動を可能とし、2022年12月の安保3文書で集団的自衛権発動についてのマニュアルを具体化に定め、とくにこの3文書の中で南西諸島での戦争準備が具体的に語られ、とりわけ米軍のEABO(鼓動展開前進基地作戦)に対応するために「機動展開能力の強化」を謳い、その一環として横浜ND改編が2023年1月11日の2+2で共同発表、に至る経過(戦争準備)を私たちは軽視・無視してはならない。

横浜ND改編(新部隊配備)は、日米共同の対中国への戦争策動であり、県民署名は戦争策動を止める活動にほかならない。

➁神奈川的「総ぐるみ」運動の構築をめざす

 神奈川での平和運動は、いまだに神奈川平和運動センター系と革新懇など憲法共同センター系の統一した取り組みが出来ていない。荒れ狂う反動政治・戦争政策を押し返えす為には自分体たちの取り組みで良しとするのではなく、分断にも等しいこうした状況を克服し「総がかり」的取り組みによる反撃が必要。野党共闘もこの体制づくりのひとつにほかならない。いま、岸田政権打倒に向けた統一戦線的な体制づくり、そのための信頼醸成づくりが私たちに強く求められている。

 この立場で、学者・弁護士が呼びかけた今回の県民署名を、神奈川的「総ぐるみ」行動へ発展させるという私たちの認識と決意が求められている。県民署名に全力を尽くそう。

>>ノースドック監視行動の詳細はこちらをご覧ください
追跡!在日米軍/rimpeace リムピース
http://www.rimpeace.or.jp

>>横浜ノースドックへの米軍揚陸部隊配備の問題
星野 潔(リムピース編集部)
2023年3月4日/神奈川労働プラザ

>>ノースドックを見に行こう!
横浜港で、新たな戦争に向けて米軍基地が動き出す!
シーバス船上から、新港埠頭展望デッキから、そしてタワービル46階展望室からノースドックを見て、東神奈川駅からノースドック米軍基地ゲート前まで歩いた。

>>飛鳥田市政と「戦車闘争」
上林 得郎(神奈川県地方自治研究センター顧問)
2023/5/7(日)横浜市健康福祉総合センター8F

>>横浜市と米軍基地(2012年・横浜市)

>>かながわの米軍施設-横浜地区編-(平成元(1989)年度制作・神奈川県)

戦争ではなく、平和の準備を!

新しいチラシを作成しました。
下記よりダウンロードしてお使いください。

>>チラシダウンロード

中国攻撃の最前線南西諸島に直結する横浜ノースドック

横浜港の中央、みなとみらいの対岸にある瑞穂埠頭の米軍基地「ノースドック」に船舶13隻と280人の新部隊が配備されることが発表されました。ノースドックはこれまで米軍資材の補完基地でしたが新しく配備される部隊は沖縄南西諸島(琉球弧)の島々にミサイル基地建設のための資材等を供給する部隊です。横浜は”対中国”日米共同作戦計画の最前線南西諸島に直結する出撃拠点になってしまうのです。
琉球弧で今何が行われているのか? 中国に対する「軍事封鎖」戦略、島民を見殺しにする作戦とは何か、そして「対話・外交」の道をいかに見出していくのか? 高井さんの話を是非お聞きください。

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東アジアで戦争を呼ぶのは誰か
/中国包囲網・琉球弧での日米戦争計画
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講師: 高井 弘之さん
日時: 2023年1月28日(土)16:30~18:30(16:15開場)
会場: かながわ県民センター 301(定員90名)
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Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/502471998347529

辺野古の海を壊すな! 沖縄を戦場にするな!山城博治さん来たる 12.12 横浜講演会

山城博治さんが横浜に来て、辺野古など沖縄・琉球弧の現況とたたかいの方向性についての講演を行います。
敵基地攻撃能力保有・防衛費のGDP比2%以上を打ち出した岸田政権の戦争準備は着々と進められており、まずは沖縄の戦場化の危機が高まっています。こうした“アベ第4次内閣”の岸田政権の反動を阻止するためにわたしたちは何をなすべきか、何ができるのか、ともに考えましょう。ご参加をご検討願います。

日時:12月12日(日)13時半開会  
会場:鶴見沖縄県人会館ホール 
資料代:800円

「神奈川県内『聖火』リレー中止と東京五輪の即時中止を求める共同声明」へ賛同のお願い

 

 全国的なコロナ・パンデミックの中で、世論ではすでに8割を超える 人々が、今夏開催予定の五輪を「やるべきでない」と考えていますが、 誰が中止の判断をするのか、責任の所在も非常にわかりづらい中で、 今に至っても、IOC、組織委員会、日本政府、東京都の各長から聞こ えてくるのは、五輪開催への無謀な意気込みのみです。 

 3月25日に福島県をスタートした「聖火」リレーですが、無観客・ 公道でのリレー中止等ずたぼろになりながら、地元の人々から批判の 声を受けながらも、現在まで全国を回っています。関係者によるコロ ナ感染事例が報告されています。また「聖火」リレーを行うにあたっ て、自治体が負担する経費も数億円に上り、そのお金をもっと有効に使うべきとの声も大きいです。 

 五輪会開式の7月23日まで、すでに2ヶ月を切ろうとしている現在、また、6月28日から30日まで神奈川県内の「聖火」リレーを目前に控え、県内で多様な課題で活動しているみなさまの声を集めて、知事に 対して、オリンピック・パラリンピックの中止と、「聖火」リレー中 止を突きつけていきたいと思います。 

ご協力をお願いします。 

                       2021年5月20日 

●呼びかけ 「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会 
      日本基督教団神奈川教区社会委員会ヤスクニ・天皇制問題小委員会 
       共同行動のためのかながわアクション 
      ふぇみん婦人民主クラブ横浜支部 
       個人情報保護条例を活かす会 
      神奈川・「障害児」の高校入学を実現する会 
      寿越冬闘争実行委員会 
      寿日雇労働者組合 

※神奈川県内で活動なさっている団体の「共同声明」として公表いたします。 
賛同していただける団体は、大変恐縮ですが、5月末までに以下のところへ団体名と連絡先をお送りください。 

 共同声明は、知事宛に提出するとともに、メディア、web上で公表いたします。 

→共同声明(PDF)ダウンロード

●送り先 mindurure@protonmail.com 

この件に対してのお問い合わせは、 

090-3909-9657(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)まで。

新疆ウイグル族へのジェノサイドは存在しない

中国非難の大合唱で、ウイグル族への「ジェノサイド」等「人権抑圧」のデマ情報(平野聡東大教授)について横浜国大名誉教授の村田忠禧さんの批判論考をお届けします。

 

 新疆ウイグル族へのジェノサイドは存在しない

東大教授・平野聡の偏見に基づくジェノサイド論を批判する

村田忠禧

トランプ政権下の国務長官であったポンペオは離任するにあたり「中国がウイグル族など主にイスラム教徒を抑圧する中で、ジェノサイド(集団虐殺)を犯した」、「このジェノサイドは続いており、中国の一党制がウイグル族を組織的に絶滅させようとしているのを、私たちは目の当たりにしていると信じている」とする声明を発表した。後任のブリンケン国務長官も同じ立場であることを表明した。中国がウイグル族に対して「ジェノサイド」を実施しているという見解は米国と西欧諸国で拡散され、中国非難の声が西側社会で盛んになった。

「ジェノサイド」とはポーランド人のラファエル・レムキンがナチスのユダヤ人虐殺を研究する中で提起した造語で、ニュルンベルク裁判で公式に採用され、その後、ジェノサイド再発防止のためのジェノサイド条約が、1948年の国連第三回総会決議にて全会一致で採択され、1951年1月12日に発効。締約国は138カ国(2006年10月現在)とのこと。欧米人にとっては「ジェノサイド」はナチスのユダヤ人虐殺を想起させ、それと中国に対する無知・偏見とが結びついて中国非難のキャンペーンに利用されているのであろう。

日本もその末席に位置しているが、そもそもジェノサイド条約に加わってもいない。南京大虐殺を「南京事件」と言い換えることで自国がかつて戦争で犯した犯罪行為を教育の場で伝える努力をしない日本は欧米とは異なり「虐殺」に関係しそうな表現は避けようとする。茂木外相が1月29日の記者会見で「新疆の人権状況に関する深刻な懸念を表明」という曖昧な表現を用い、「ジェノサイド」という表現を避けているのにはそうした背景があると思われる。

「ジェノサイド」にしろ「人権抑圧」にしろ、新疆ウイグル自治区でそのような事態が発生しているのだろうか。筆者は中国統計出版社発行の『新疆統計年鑑』2019年版のデータに基づき、新疆では漢族よりもウイグル族のほうが人口増加が顕著であり、新疆で「ジェノサイド」が進行中とする主張は無知と偏見の産物であると指摘した(3月8日村田忠禧「新疆ウイグル自治区の『ジェノサイド』は無知と偏見の産物」)。

偏見から出発する平野聡・東大教授のジェノサイド論

拙論を友人たちにメールで配布したところ、平野聡・東大教授が筆者とは異なる見解の論文を発表していることを教えてもらった。さっそく「これぞ動かぬ証拠‶新疆ジェノサイド〟示した中国統計年鑑」と題する論文を「WEDGE」のHPから入手した。2 

平野論文は「新疆ジェノサイド」論を大々的に展開している。しかもそう主張する根拠は中国国家統計局編『中国統計年鑑』の25-27の「区域民族自治地方行政と人口」のデータによっているとのこと。しかし『中国統計年鑑』には新疆ウイグル族というような個別民族に関するデータはどの頁を探しても見当たらず、あるのは「少数民族」として括られたデータだけである。確かに新疆では少数民族のうちの78%をウイグル族が占めているが、両者を混同することは正しくない。『中国統計年鑑』の17~19年版の25-17「民族自治地方の区画と人口」という項目に示された少数民族の人口が164万5000人も激減している、「この数字こそが新疆ジェノサイドの実態を物語っている」と平野教授は主張する。そこで筆者は『中国統計年鑑』の2010年版~2020年版の総人口と少数民族人口の変化を表1にまとめてみた。

確かに2018年には少数民族が前年より156.76万人減少している。大変な数値の変動である。しかし2012年には86.91万人、2016年には159.16万人も少数民族が増加していることにも注目する必要がある。1,500万人規模の少数民族の集団で、一年間に150万人規模で人間が増えたり減ったりするという現象はどのような状況下で発生するのだろうか。新疆で大規模な戦争のような事態が発生しているわけでもないので、筆者には想像することすらできない。

『中国統計年鑑』のデータそのものを点検する必要がある。2014年のデータは存在せず『中国統計年鑑』2015年版25-19865頁には2013年のデータを引き続き掲載している。表1の2014年の総人口の数値は2015年版の2-5に記された数値を筆者が記入したものである。3 

『中国統計年鑑』の「民族自治地方行政区画と人口」のデータにはこの他にも不明瞭な点があり、ただ2018年の少数民族の値が前年より157万人近く減少した点だけを取り上げてジェノサイドと結び付けることはできない。平野教授は鬼の首でも取ったかのように大騒ぎするが、その姿勢は偏見に満ちたものであり、学問研究をする道から外れている。

『新疆統計年鑑』から見えてくる事実

もう1つの統計資料、しかも新疆の問題を論ずる場合には不可欠な統計データが豊富に掲載されている新疆ウイグル自治区統計局編の『新疆統計年鑑』では新疆に居住する民族データがどのように示されているだろうか。同書の3-8「主要年度の民族別人口数」のデータを『中国統計年鑑』のデータと比較しやすいように表2を作成した。しかも『中国統計年鑑』では知ることのできないウイグル族と漢族の人口数をも加えた。しかし2020年版の『新疆統計年鑑』には民族別人口数を示したデータが見当たらない。なぜであろうか、疑問が残る。

表2からはいろいろな情報を得ることができる。

第1に、表1と違ってどの項目でも100万人単位での人口変動は存在しない。全般的に安定的な変化であって、急激で大規模な人口数の変動という不自然な現象は見当たらない。2010年に漢族が9.4万人減となっているのは前年7月にウルムチで発生した暴動の影響と思われるが、翌年には12万人増と回復している。

第2に、もっとも変動が大きい年は2014年で55万人規模の増加を示している。増加しているのは少数民族の方であって、漢族は5,500人と小規模だが減少している。表1では4 

2014年のデータが存在しないことと関係するのであろうか。

第3に、2015年から2018年まで総人口はいずれも減少しているが、少数民族は増加傾向を示している。逆に漢族人口は減少している。2016、2017年にそれぞれ35万人前後の漢族の減少が発生している。

第4に、表1では2018年に156万人にも及ぶ少数民族の大規模減少が発生したことになっているが、表2では少数民族は1万人弱の増加。中でもウイグル族は2万人の増加を示している。漢族は4万人強の減少である。平野教授のウイグル族「ジェノサイド」論が荒唐無稽であることは表1と表2の比較で明白である。

テロ撲滅のための努力を妨げる米国の「人権外交」

新疆で一年間に100万人規模でウイグル族が「虐殺」もしくは「幽閉」されているとしたら、1,200万ウイグル族の大半は自分の家族や友人のうちの誰かが犠牲になっていることになる。もしそれが真実だとしたら、新疆全土が暗雲に覆われ、死に神の支配する世界となるであろう。もちろん現実の新疆は違う。外国人旅行客は新疆の実際を自分の目で確認することができる。

表3は2018年に新疆を訪れた外国人の数の多い6カ国の2017年と2018年のデータである。2017年はモンゴルが一位だが、18年になるとカザフスタンが急増して210万人となる。誤入力ではないかと疑いたくなる値である。もう一点、注目すべきは日本、韓国以外はいずれも新疆と国境を接しているか、旧ソ連に属していた国で、自国内に新疆の少数民族と同じ民族を抱えている国々である。もし新疆で自己の民族同胞が抑圧され、犠牲になっているのなら新疆を訪問する気になるだろうか。

とりわけカザフスタンには1962年に新疆のイリ地方からソ連領内に脱出した人々が多く生活している。カザフスタンはソ連崩壊後に誕生した国だが、陸のシルクロードの中枢である中国と同国は友好協力関係を発展させている。2017年6月には習近平国家主席が5 

カザフスタンを訪問し、連合声明を発して多方面にわたる協力を約束し合っている。その中には「双方は、テロリズム、分裂主義、過激主義、多国籍組織犯罪(銃、弾薬、麻酔薬、向精神薬、易毒性化学品の不法密輸、不法移民、経済犯罪)が両国の安全と安定に深刻な脅威をもたらしていると指摘し(中略)双方は中国とカザフスタンの国境管理を強化し、テロ関連者が両国の国境地域で潜入・潜出し、麻薬、武器弾薬の国境を越えた密輸を防止し、取り締まる」ことを表明している。

2017年のカザフスタンからの旅行者が1万人ほどに過ぎなかったのが翌年には210万人と爆発的に増えているのは両国政府の「連合声明」が発せられ、テロ撲滅に向けた各種対策で合意したからである。カザフスタンから大規模な旅行者が新疆にやってきたのは、両国政府の声明を歓迎していることの現れである。今年2月1日の自治区人民代表大会での政府活動報告は、新疆で4年余り連続して暴力テロ事件が発生していない、と明言している。

筆者は『中国統計年鑑』の少数民族に関するデータが正しくない点を指摘したが、誤った数値を出すのには何らかの原因があるのではないか、と要因になると思われる事項を見つけ出そうといろいろ調べた。しかしこの作業は大変難しく、非才ゆえにまだその原因を究明できていない。ただその過程で問題点の所在もおぼろげながら見えて来た。2014年が新疆の発展にとって重要な年であったことが浮かび上がってきたのは大きな収穫である。今後の課題としたい。

筆者が平野論文に接する前の3月8日に書いた拙文の最後は以下の通りである。

「このような歴然とした事実を無視して、新疆ではウイグル族にたいする「ジェノサイド(集団虐殺)」が進行している、といくら声高に叫んだところで、新疆ウイグル自治区の現実を変えることはできない。アメリカ政府の『人権外交』の本質が無知と偏見で作られたデマ情報に基づいていることを全世界人民に知らせる結果となるであろう。」

残念なことに中国における新疆ウイグル族への「人権抑圧」の存在を主張し、中国非難の大合唱が欧米を中心に続いている。日本でもこの「時流」に乗ろうとする曲学阿世の徒が登場している。騙されないよう注意しよう。

2021年5月18日